なぜ遠隔画像診断の医療の中での役割を明確化する必要があるのか

現在の臨床医学における画像診断の重要性はここで説明するまでもありませんが、日本放射線科専門医会・医会が示しているように、放射線科医が常駐する医療機関は全体の20%以下であり、検査適応、検査プロトコールの最適化、被曝の管理などの画像診断の管理をする以前に、専門医による読影も十分に行われていないのが実情です。

画像診断の専門医による読影のニーズは増加しており、それを背景として遠隔画像診断支援サービスが発展してきました。本来ならは診療報酬制度で規定された遠隔画像診断を拡充するところが、様々な理由からその大部分は既存の医療制度、診療報酬制度の外の「遠隔画像診断支援サービス」として発展してきたため、なんの規制や質の担保もないままで広がってしましました。

そのため、商用サービスゆえに価格競争と読影価格の低下、それによる遠隔画像診断の質の低下を一部でもたらし、遠隔画像診断支援サービスが法的、制度的な裏付けが何もないことも一因として、画像診断管理加算の施設基準に外部委託の禁止を盛り込まれることとなりました。

専門医による読影が十分に行われていない現状においては、遠隔画像診断は少ない読影医でより多くのレポートをつけるためには必須のツールであることは間違いありません。その目的一つをとっても、遠隔画像診断の医療の中での役割を明確化し、現行の医療制度や診療報酬制度に受け入れられるものにする必要があると考えます。

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