遠隔画像診断における契約 2

それでは、遠隔画像診断支援サービス会社と契約を行い遠隔画像診断を行う場合はどうなるでしょうか。病院と遠隔画像診断支援サービス会社との間は上記と同じように業務委託契約が結ばれており、読影医が遠隔画像診断支援サービス会社の社員として雇用契約がある場合は給与としてお金が支払われることになります。遠隔画像診断支援サービス会社と読影医個人あるいはその法人と業務委託契約を交わしている場合は、上記と同じように報酬あるいは商取引として支払われます。病院から見れば遠隔画像診断支援サービス会社を介してあなたに再委託(下請け)されたということになります。

遠隔画像診断支援サービス会社の社員として雇用されることは実際は少ないようです。その理由としては、読影医の側としては税務的なメリットから社員としての雇用ではなく、個人(事業主)あるいは自分の法人との間での委託契約の方を望むという要因があります。

会社側としては、社員として雇用の場合は労働基準法の適用となり、労災保険等の加入義務があります。健康保険や厚生年金などの社会保険も加入しなければなりません。超過勤務手当や有給休暇も考えなければなりません。よって、社員として雇用するよりも業務委託として読影をしてもらう方が、会社としてはコストが低いのです。

また業務委託は基本的に件数に応じた報酬のため、給与の場合のように固定給を支払う必要がありません。固定給はそう簡単に減額できませんので、契約そのものが減ったり、社員として雇用した読影医の読影件数が少ない場合は、赤字になる可能性がありますが、業務委託の場合は読影件数とコストはパラレルのためその部分では赤字になりません。

また読影に問題があった場合の責任の所在は、社員の場合はまず第一義的には会社の責任ですが、業務委託の場合は監督責任はありますが、基本的は業務委託先の責任となります。

ですので、遠隔画像診断支援サービス会社が読影医を社員(≒常勤医)として雇用している場合は、その会社が遠隔画像診断に本気で取り組んでいる証の一つとも言えるでしょう。

一部の遠隔画像診断支援サービス会社では、「遠隔画像診断支援サービス事業」ではなく「遠隔読影マッチングサービス事業」としてサービスを提供しています。こちらについては別項目で述べたいと思います。

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