依頼先の選び方 1

まず、近隣の中核病院で遠隔画像診断を受託してくれているところがあれば、そちらに相談してみましょう。状況に応じて診療報酬で認められた遠隔画像診断管理加算が算定できます。ただ、そのような受け皿はほとんど無いのが実情で、受託可能としても中核病院は自院の検査に忙しく至急読影などの対応は難しいでしょう。またレポートも院内向けと同程度になる場合が多く、先に述べた遠隔画像診断的な「質の高いレポート」と比較して比較的簡素な記載になる場合が多いと思います。地域医療連携の強化と遠隔画像診断管理加算の算定が可能といったメリットがありますが、実際は商用サービスである遠隔画像診断支援サービスを選択されることがほとんどと思います。

商用サービスである遠隔画像診断支援サービスを選択する場合、大学の関連病院であれば多くの大学がNPO法人などの遠隔画像診断支援サービス事業者を開設していますので、大学医局に問い合わせるとよいと思います。その場合近隣の病院も同じ大学関連の事業者に依頼している場合が多いと思いますので、口コミ評価も聞きやすいでしょう。大学関連事業者に依頼するのはメリットも大きいですがそれなりのデメリットも存在します。力関係が依頼施設よりも大学が上となりますので、依頼側の要望はなかなか聞き入れてもらえない場合も多いと思います。また、大学関連故に読影レポートの返却が学会期間中は大幅に遅延することもあるかもしれません。読影単価も比較的高い場合が多いようです。もちろん例外もありますが、中核病院での遠隔画像診断と同様に、遠隔画像診断的な「質の高いレポート」と比較して比較的簡素な記載になる場合が多いと思います。大学に頼む安心感の代償として受け入れる必要があると言うことでしょうか。

次に一般の遠隔画像診断支援サービス事業者を選ぶ際のノウハウです。まずお伝えしておきたいのは、お試し読影でしばらくレポートの内容を確認してから契約に進む場合も多いようですが、お試し読影によるレポート内容やレポートの質の評価はあまり意味は無いと思った方がよいでしょう。事業者側はお試し読影にはエース級の読影医に対応をお願いするでしょうし、見落としや記載ミスが無いように細心の注意を払うのは当然です。レポートのレイアウトや読影依頼やレポート返却の流れ、対応窓口などの確認にはよいと思いますが、数例から数十例でレポートの質を判断するのは不可能ですし、レポートの質は事業者内である程度統一されるようにはしていますが、事業者間の差異よりも読影者間の差異の方が大きいと思います。

近隣の施設で遠隔画像診断を利用しているところがあれば、そちらに聞いてみるのが一番確実です。いわゆる口コミ評価です。レポートの質に記載した記載の丁寧さや至急読影の対応状況、問い合わせ窓口の状況や、読影医と直接連絡がとれるかどうか等は、なかなかホームページや営業トークではわかりません。もし知り合いから特定の事業者の口コミ評価が得られる状況で、評価がよい場合はその施設経由でその事業者を紹介してもらうのが一番いいと思います。事業者としては大切な顧客からの紹介ですから、最重要視して対応してくれるでしょう。とはいっても、そのような口コミ評価が得られない状況であるからこそ、このページを読んでいただいているとおもいます。

そのような手立てがない場合は、ネットで検索してなんとなく良さそうな事業者に連絡を取ることになることになると思いますが、遠隔画像診断支援サービスの市場が成熟した現在、基本的な料金や受付時間、レポート返却時間などに極端な差はありません。そのため、選択する際の最重要視するポイントを明確にするのが大切です。

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