依頼先の選び方 3

問題は日勤帯の至急読影です。遠隔画像診断の多くは画像診断医のアルバイトとして自宅など夜間で行われることが多いため、案外日勤帯の至急読影が十分対応できない場合が多いようです。しかし、実際のニーズとしては日勤帯の至急読影の方が夜間などよりも圧倒的に多いです。

至急読影は依頼を受けてから2時間以内~1時間以内のレポート返却をうたっているところが多いと思いますが、日勤帯の至急読影にこだわる場合はやはり1時間以内かどうかが重要と考えます。1時間であれば主治医も読影レポートを見てから判断することが十分可能ですが、2時間だとすこし難しいと思われます。実際どの程度の時間で至急読影の結果が返却されるかを十分確認しておくことが必要と思われます。

日勤帯の至急読影、レポートの問い合わせ、再読影依頼、撮像方法の問い合わせなどに迅速に対応でき、できれば読影医と直接連絡を取り合える体制がほしい場合は、逆に大手事業者は対応窓口は完備されていますが、なかなか読影医と直接連絡を取れる体制にはなっていないようです。つまり、病院の読影室と同じような環境を遠隔画像診断にも求めたいという場合は、複数の読影医が在籍している中規模の事業者で日勤帯に読影医が常駐していることが必要と言うことになります。

遠隔画像診断の理想型の一つは病院の読影室と同じような環境をネットワークを用いて、遠隔地の依頼施設に提供することです。それは日勤帯の至急読影しかり、レポートの問い合わせ、再読影依頼、撮像方法の追い合わせなどに迅速に対応でき、できれば読影医と直接連絡を取り合える体制ということになります。このような体制は大手事業者でも出来なくはないですが(注)、読影室に出勤して読影するというスタイルをとらないとなかなか実現は難しく、自宅読影がメインの現状ではどこでも対応可能というわけではありません。

このような理想型の遠隔画像診断に近い形態は、複数の読影医が常勤医主体で所属し、自宅読影がメインで無く、読影室に出勤スタイルであることが必須条件と考えています。さらに運営に対して自信と責任を持って対応していることを表している一つの指標が、ホームページなどで代表あるいは読影の品質管理責任者である医師の名前と顔写真をはっきりと明示していることと考えます。さらには所属読影医が同じように少なくとも名前を出していることが望ましいと思います。アルバイト読影医は主たる勤務先が別にあるため、ホームページに堂々と名前を出すことがはばかられる場合が多いためです。

残念ながらこのような事業者は数えるほどしかありませんが、病院と同じような読影室を遠隔画像診断で実現したいと考える場合は、このような事業者にまず問い合わせてみることをおすすめ致します。

注:大手事業者でも日勤帯に常勤医が読影室に出勤している、あるいは自宅読影でも日勤帯での常時待機を前提としているところもありますので、担当営業に日中の読影体制について確認することをおすすめします。

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