依頼先の選び方 2

遠隔画像診断に求める最重要視するポイントとしては下記のようなものが挙げられるでしょう。

  • とりあえずコスト優先で安価なところがよい。
  • 特定の専門分野(たとえば整形、心臓、中枢神経)などをより詳しく専門的に読影してほしい。
  • 夜間や土日祝日などでも至急で読影をしてほしい。
  • 至急での読影は主に日勤帯でよいが、患者さんを待たせたくないのでなるべく早く読影してほしい。
  • レポートの問い合わせ、再読影依頼、撮像方法の追い合わせなどに迅速に対応でき、できれば読影医と直接連絡を取り合える体制がほしい。

コスト優先の場合は、個人あるいは小規模の読影医グループで遠隔画像診断を行っていところと直接契約をするのが一番安価と思われます。そのような読影医やグループは知らないという場合がほとんどでしょうが、もし見つけられた場合は中間マージンがなく最も安価に読影を依頼できる場合が多いと思います。ただし個人や小規模での対応ですので、読影できる量や至急読影時間含めかなり制限があります。アルバイトとして夜間自宅読影となる場合は、日勤帯の問い合わせなどにも対応は困難なことが多いでしょう。夏休みや学会期間中なども通常のようには読影できない場合が多いと考えておいた方がよいかもしれません。

次には複数の大手遠隔画像診断支援サービス事業者に見積りを依頼し、価格競争を行わせることがあげられます。見積りをとる際の注意点は、撮像範囲による部位数の算定方法の違い等から、単なる件数の見積りでは大きな誤差が生じる可能性があることです。実際読影依頼する検査の中身を具体的かつ明確にして見積もりを依頼しないと、契約したら想定していた価格と総額が違ったということになりかねません。当然ながら価格優先ですのでレポートの質は期待しない方がよいでしょう。遠隔画像診断支援サービス事業者も読影医をおそらくランク付けしており、価格優先のところには下位ランクの読影医が割り当てられる可能性が高いと思います。そこは十分理解し納得した上で交渉してください。また大手事業者は読影医が頻回に変わることも多いと思いますので、レポートの質や記載方法がバラバラといったこともよくあるようです。問題点の項目でも述べましたが、モチベーションが低くやっつけ仕事の読影医も多く、その一因として依頼側の過度の価格下方圧力があります。

整形分野、心臓、中枢神経などの特定分野を詳しく専門的に読影してほしい場合も、大手遠隔画像診断支援サービス事業者に依頼するのがよいと思います。このような場合は、依頼医側の医師も専門性をもって読影がある程度可能と思われますので、それより高度な専門的な読影を必要とするためには、各分野でのトップの読影医をラインアップにそろえている大手遠隔画像診断支援サービス事業者がターゲットとなります多少価格は高くなるかも知れませんが、しっかりと具体的要望を伝えることにより、最適な読影医を選択してくれることと思います。

夜間や土日祝日などでも至急で読影をしてほしい場合も、対応している事業者は大手に限られますので、こちらも自ずと選択肢は限られてくると思います。

このように、大手事業者にまずあたってみるのが一般的ではありますが、大手事業者の中でもそのスタンスは様々です。規模が大きくなればなるほど、時間や分野含めカバーできるのもが大きくなりますが、様々な読影医を抱えることになります。値下げを要求して価格を下げてでも契約を取りに来るような事業者の場合は、より下位ランクで安価に読影を受託するモチベーションが低くやっつけ仕事の読影医に当たる確率が高いということは、知っておく必要があるでしょう。

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